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チョコレートドーナツ

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今回、観に行ったのは『チョコレートドーナツ』

1970年代のブルックリンで実際にあった「障害を持ち母親に育児放棄された子供と、家族のように暮らすゲイの話」です。
こう書くと、ちょっとショッキングな言葉が並びますが、映画自体は非常に考えさせられる深い話です。

シンガーを夢見ながらもショーダンサーをして日銭を稼ぐルディー。
そんな彼の前に、正義を信じながらも、ゲイである事を隠して生きる弁護士のポールが表れ、二人は引かれ合い
たちまち恋に落ちる。
きらびやかな衣装に身を包み歌うルディーを演じるアラン・カミング。
パッと見、本当に女性だと思ってみていたボクですが、そこには歌舞伎に通じる女性らしさや色っぽさがあり、今年のアカデミーで助演男優賞を取ったジャレッド・レトと同じようにゲイの役を見事に演じています。

ルディーが暮らすアパートの隣には、ダウン症の子供マルコが住んでいます。
ある夜、音楽をかけっぱなしのままマルコをひとり残し、薬物依存症の母親は男といなくなってしまう。
翌朝、ルディは騒音を注意しに乗り込んだ部屋には、ただ小さくうずくまり母親を待つマルコの姿がありました。
自分の部屋にとにかく連れて行き、オロオロするルディーに、マルコは一言『お腹がすいた』と訴えます。
そんなに余裕のある暮らしをしている訳ではないルディー。ましてやショーダンサーと言う職業柄、子供が喜ぶような
食べ物が無くマルコが食べれるようなものがありません。ようやく食べれそうなものでチーズを見つけ、『チーズと
クラッカーは朝食のチャンピオン!!」とルディーはすすめるのですが、マルコは食べようとはしません。
ボクはこの「朝食のチャンピオン!!」と言う台詞がえらくツボのはまりました。

世界の片隅で3人は出会い、家族として生活をはじめます。
3人はそれぞれが、ようやく愛情というものを感じて暮らしていたのですが、その生活も長くはつづきませんでした。
3人は本当の家族になる為に、正式に法の許可を得る為に裁判所に申請をしていました。
しかし本来は公正で中立な立場で方に乗っ取って判断を行われる裁判所であるはずなのに、ここでも偏見と差別は
入り込んでいます。
個人の人権にうるさいイメージが強いアメリカですが、1970 年代のアメリカは同性愛者への差別やアレルギーは
非常に強かったのでしょう。
ただ単に感覚的に受け入れないのではなく、そこには宗教的な教えも強かったのではないかと思われます。
このアタリは日本とは少し感覚が違うのではないかと思われるのですが、日本的な頑固親父というのは、宗教の
教え以上にややこしく難しいものではないのかと思います。
『バカも〜ん。ワシが許さんと言ったら許さん!!」などと、波平さんばりの怒リを表せる父親が、現代の日本に
いるのかは懐疑的ですが。

劇中、ルディーのショーのシーンや歌うシーンんが何回か出てくるのですが、その時に流れる音楽の歌詞が
その劇中の物語の流れにあっていて、非常にうまく使われていると思いました。
最後にアラン・カミング自身が歌う、ボブ・ディランの『I shall be relesed』もグッと胸に来ます。
ミュージカル映画以上に歌に力と意味を持たした映画だと思いました。

ネタばれになるのでこれ以上はかけませんが、観て頂きたい映画でおススメです!!台詞で終わりたいのですが
あいにく岡山は、興行的に成功しそうにない映画は上映してくれる映画館が無く、唯一シネマクレールという
映画館が短期間上映してくれてます。しかしそれももうすぐ終わってしまいます。タイミングの会う方には
オススメです!!

最後に、『I shall be released』をボブ・ディラン出なく、またアラン・カミングでもなく、忌野清志郎のバージョンを
貼付けておきます。清志郎の訳詞が、これ又すっごく合い胸にジーンと響きます。
映画を観て聞くも良し、聞いてから観るも良しです!!

by matu


by kusobaes | 2014-07-01 18:34 | 映画の話