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ダラスバイヤーズクラブ

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昨日はアカデミー賞の発表があり、あちこちで予想されていましたが、終わってみると順等な所に落ち着いたなと言う感想です。
そんななか、主演男優賞と助演男優賞はどちらもが「ダラスバイヤーズクラブ」に出ていたマシュー・マコノヒーとジャレッド・レトが受賞しました。
たまたま受賞発表の前日に、「ダラスバイヤーズクラブ」を観て来たばかりのボクもこの両名の受賞には
納得させられます。
ここ日本では、まだ上映されてない映画も多く全部を観た訳ではありませんが、二人の文字通り体当たりの演技には凄みを感じました。役作りと口では簡単にいえますが、太ったり痩せたりと役者さん達も大変です。

ここのところハリウッド映画は実話をもとに作られる作品が多いですが、この「ダラスバイヤーズクラブ」も1985年に電気技師であるロン・ウッドルーフは医者にHIVni感染している事を伝えられ余命も30日しか無い事を告げられます。その当時はHIVに対しての情報が少なく偏見や差別が起こっている風潮でした。そしてなによりもテキサス生まれのロン・ウッドルーフこそ偏見の固まりのような人物でした。
「HIVなんてホモ野郎がかかる病気だ!!」と常々言って軽蔑していた彼が、よもや自分が感染するなんて信じられず告知した医者を口汚く罵り病院から出て行きます。いつも通り酒に酔いドラッグでハイになり女性と遊ぶのですが頭からHIVの文字が離れません。死の恐怖に押しつぶされそうになりながらも自分で調べ、ようやく自分がHIV感染者である事を受け入れます。調べて行く中でHIVに適応する薬がまだアメリカでは未承認で入って来ない事を知ります。治験薬として病院に入って来ている事を知り病院関係者から横流しをしてもらうのですがそれもすぐに管理が強化され手に入れる事が出来なくなります。
そんな中、メキシコではその薬が手に入る事を知りメキシコに行くのですがそこで知らされた事実に驚愕します。高いお金を払って必死で手に入れていた薬。必死に命をつなげているものだった薬が実は体に悪影響を与えていると言うのです。HIVにはドラッグをやめ正しい食事とサプリメント、毒性が低いとされている数種類の薬が有効だと教えられます。今でこそHIVはそれぞれの患者さんにあった薬をカクテルのように組み合わせ発症を抑え普通の生活が送れる様になり、HIV=死と言う図式ではなくなっています。
しかしこの当時は誰もが手探りだった上に薬品会社、政府機関などの思惑が入り乱れ思うように事が進んでいない時代です。そんな時代に自分で勉強しダラスバイヤーズクラブと言う非合法な組織を作り、同じくHIVで苦しんでいる人達に薬を分け与えるのです。分け与えると言うとすごく善意の人で慈善家のように思われますがこの映画では決してそのように描いていません。ロン・ウッドルーフ自体が周りを助けようとしておこなっていたのかはぼやっとさせています。ただひとつ言えるのは戦っていたということです。政府に、病院に、薬品会社に、社会に、差別と偏見に、そして死に対して戦っていたんだと思います。
自分が思っている以上に考えさせられ、面白い映画でした。
二人のオスカー俳優が観られるこの映画おススメです!!

by  matu


by kusobaes | 2014-03-04 18:59 | 映画の話